ビジネスのためには何が必要か

「ビジネス」とは、何かを誰かに提供して対価を得、収益を上げる活動です。金銭を支払うのはエンドユーザーだけではありません。対法人向けビジネス、いわゆるBtoBビジネスでは先方の担当者が顧客となります。そのようなビジネスの関係の中では「対価に見合ったものが得られるか」ということが何であれつきまといます。「価値」が「対価」と同等、或いは上回った際にのみ、ビジネス取引は成立するのです。そして、ユーザーが支払った対価よりも「原価」が下回っていれば、その分「利益」となり、いわゆる黒字という状態になります規模が大きくても小さくても、その枠組みが根本にあります。そして、その「原価」は何も"モノ"の仕切り価格だけではありません。小売店であれば店舗を運営するための人件費や家賃などの諸費用も加算しておく必要があります。そして忘れてはいけないのが「販促費用」です。ただ商品を仕入れるだけでは何も買ってもらえません。自分の店舗にその商品があること、その商品がどれほど良いものであるか、そしてその商品がどれだけお値打ち価格であるかを適切にユーザーに伝えなければ購入を促すことは出来ないのです。そのために店頭にPOPを設置したり、ディスプレイを豪華にしたり、来店を促すためにチラシや広告で告知したりするのです。それらにかかった費用も加味する必要があります。
販促費は人件費や管理費に比較すると流動的です。そして、広告の種類も手法も多様化した現在では、その施策の「着地点はなんなのか」を明確に定めておく必要があります。たとえその施策が直接購入を促すものではなかったとしても、「認知」が目的なのであれば人に知れ渡った時点で施策は「成功」となります。そのように、何を目的とするかを明確にすることにより、「費用対効果」を確実に測定することが販促費を投じる上では大切なことになります。それらの取り組みの最終的な着地点は「収益」を上げることですが、そこに至るまでのプロセスを明確にしておくということです。どうしてユーザーはその商品を購入するのか、言いかえれば「どうすればその商品が購入されるのか」というロジックを明確にしておくのです。ロジックが明確になれば、同系統の商品や後発商品などでも同様の手法で販売を行うことができます。「販促」とは「購入されるロジック」を明確にすることにほかなりません。
ビジネスの根幹は如何に少ないコストで大きな収益を上げるか、という取り組みでもあります。販売に関わる作業を効率化したり、少ない人員で規模を拡大したり、より少ない販促費で同等かそれ以上の販売効果を生み出すということです。それらの活動は全てデータを収集し、それらを「分析」した結果でなければいけません。そうでなければいわば「ギャンブル」と変わりがないのです。「どうすればより良い成果が生まれるか」ということはデータの蓄積と冷静な判断に依ります。ビジネスは、そのような取り組みの積み重ねでもあるのです。