「集客」のために必要なこととは

「ダイレクトメール」という集客手法にこだわりすぎて、その「成果」を度外視すると意味がありません。販促施策を続けていく上で陥りやすいことは、「手法」に呑まれてしまうことです。つまり、「ダイレクトメール」を打つことが目的となってしまうという、すり替え現象です。販促にも様々な手段があるのですが、一番大切なことは「何を着地点にするか」ということです。世の中にダイレクトメールで販促をかける企業や小売店は星の数ほどありますが、その半分くらいは目的を見失うという現象に陥っていることが多いのです。目的を見失うとどうなるかというと、ただ告知すれば良いという安易なダイレクトメールが出来上がります。そして、少しでも情報を多くするため、広く薄い内容のダイレクトメールが出来上がるのです。結果、ユーザーには何も伝わらず、ただ「広告が来た」程度の認知しか起こりません。そのようなダイレクトメールに欠けていることは明白で、「ユーザーが購買に至るプロセス」を小売していないということです。
最大の広告は「価格」です。価格ほど攻撃力を持った訴求は他にはありません。ユーザーの最大の関心も価格です。「この品が、その価格で・・・・これはお得」と感じなければ購買には至りません。それは商品力も大いに関係していますが、販促を担当する側は商品を選んでいられません。ですから、仕切りと購入予測数からギリギリのラインで勝負をかけます。仮に「価格」で勝負することが出来ないのであれば、今度は「商品の良さ」を限界まで伝えるしかありません。しかし、それも他社と「同じ」商材であれば効果がありません。メーカーの販促では、この点は有利です。その商品がそこでしか買えないのであれば、その「価値」は唯一のものとなるからです。
ここまで簡単に考えてみても、ダイレクトメールの取るべきベクトルが見えてくるはずです。何を価値とするか、それはユーザーの立場に立って考えるべきなのです。対象を広くし過ぎて内容を薄くするよりも、より確実なレスポンスを求めてターゲットを絞るほうが効果は高いのです。半策のための「予算」は限られていますから、どうしても幅広いターゲットに一度で情報を提供したくなるものですが、その考えがすなわち費用対効果を落とすことになっているのです。
「集客」とは、ユーザーを「動かす」ことです。ユーザーを動かさなければ売り上げにはなりません。売り上げにならなければ利益もないのです。ただ販促予算を垂れ流すだけになってしまいます。これが最も悪い販促です。よく「販促」と「広告」を分けて考えたがる人がいますが、それも意味がありません。広告にしても最終的には購買に結び付かなければいけないのです。ですから、広告も販促も分けて考えていけません。「勝ちパターン」を巧くロジックとして組み立てることが、集客への第一歩です。これを履き違えている方が現職の販促担当にも多いようです。