情報の絞り込みとインパクトとは

大切な情報は大きく書く。これはクリエイティブの基本です。基本的に能動的に商品のことや店舗のことを調べているユーザーはもう「購入直前」です。それよりも、ある商品に対して「特に興味がない」、或いは「知らない」というユーザーに対してインパクトを与え、興味を持ってもらうことの方がダイレクトメールの効果としては重要なのです。ダイレクトメールがその商品に対して最初のコンタクトである場合、その商品を「一言」で表せる必要があります。1つの商品に対しては様々語れることがあると思います。とても一言では表せないと思います。ですが、そこをあえて一言で表すことで、その商品に対する印象を誘導することが出来るのです。イメージ操作ということです。
ユーザーは面倒なことが大嫌いです。興味もないものを最初から長々とした説明文で推し量る労力は、とてもではないですが裂きません。そのモノの本質が一瞬でわかるようなキャッチコピー。そしてそのモノがどんなモノであるのかが一瞬で伝わる魅力ある写真が、商品訴求のダイレクトメールにおいては最も重要です。提供側が自信を持って言い切ることで、受け手側もそのようなイメージを持ちます。こちらが気持よく言い切らなければ、ユーザーはイメージを確定することが出来ず、何が何だかわからないまま忘れ去られるのです。「これが欲しい」と思うタイミングは一瞬で決まります。それは多くを語るより、一言でキメるものです。このためには訴求する情報を絞り込み、誌面にゆとりを持たせる必要があります。そして明らかに「それ」とわかるインパクトが必要です。インパクトがなければ、人には伝わりません。そのインパクトはキャッチコピーと商品の写真で与えるものです。いわゆる「訴求力」とはそういうことです。どのように丁寧に商品を説明しても、どのように長く商品を語ったとしても、「面倒」だから読まれません。もちろん、テレビを購入することをすでに決めていて、そのようなユーザーに自社のテレビを語りつくす、という意図であれば、スペックを並べた長いDMは効果があるかもしれません。ですが、そのようなユーザーはインターネットで自分で調べています。すでに購入に向けたアクションを起こしています。ですから、そのようなセグメントを「見込み客」としてダイレクトメールを発信するのは間違いです。
そのショップでの購入歴がすでにあり、そろそろテレビを買い替えそうだというユーザーに対して、「買い換えるならコレ!」と強烈に訴求するのがダイレクトメールの本質です。ユーザーが気付いていなかったことを先回りして伝えてあげるということです。そのためにはどのような時期にどのようなユーザーがどのようなものを買うのか、という分析も必要です。ダイレクトメールはそのショップが様々な要素で分析を重ねた「結果」であるべきなのです。そして、それをシンプルに、明快に、そして強烈に伝えるためのインパクトが必要なのです。